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ぽっかぽか

Category: TOV・ユリエス  


1/12 コミックシティ大阪にて配布したペーパーSS。
ユリエス。のんびりとした、とある日の出来事。



 

「天気も良いし、暖かいし。言うなれば、最高の昼寝日和だしな」
 半ばぼやき混じりの科白は、緩やかな陽射しの中、霧散する。己で発しておきながら、ユーリは、誰に言っているのだろう、と自問自答しつつ、膝上の存在へ視線を投げた。
 無邪気な寝顔は、初めて眼にするものではない。いつだったか、樹にもたれ掛かり同じ顔をしているのを見、いくら護衛としてラピードが傍に居るにしても、一国の皇女としてはどうなのだろうか、と頭を抱えてしまったのを思い出した。
「気持ちは、分からないでもない」
 散歩に誘い出したのは己だし、天気が良いからと日向ぼっこを提案したのも己だ。たまには、のんびりするのもいいだろ、と告げたのも記憶している。
「けど、男の膝の上で熟睡ってのは、どうかと思うぞ」
 先よりも低い声色が、舞い散る花弁の軌道を微かに変えた。後を追うように、ユーリの膝上で眠るエステリーゼの口から、寝言にも似た微かな声が零れ、花弁で埋め尽くされた地面に転がる。
 ふっと吐き出された短い息に、大樹が小さく笑ったのであった。



     ぽっかぽか



「無防備過ぎる」
 ぽつり、と一言。
 のんびりと並んで座っていたのは、ほんの少し前だ。いつの間にか身体が傾き、支えるよりも先に膝上を定位置として着地したエステリーゼには、見事の言葉しか無かった。
 よくあれで起きなかったよな。
 胸中で感心をし、ちらり、と彼女の顔を再び見やる。
「危機感とか無いのか?」
 何かされるかもしれない、という思考は働かないのだろうか。
「あー、あれか。男として見られてない…とかか」
 安心感と言えば聞こえはいいが、そこはかとなく男としての沽券に関わるものが含まれていて、なんとなく泣きたい気持ちとなるユーリ。
 だからといって、面と向って警戒されても、ひっそりと傷ついてしまうあたり、我侭な言分なのかもしれない。
 どっちもどっちだよなぁ。
 毒気の抜かれてしまった自身の気持ちを弄びながら、ふっと首を竦めた。
「足が痺れてきたので、そろそろ起きてきてくださいませんか?お姫様」
 しかし、エステリーゼの耳を素通りしたのか。彼女の身体は、その素振りを見せない。規則的に上下する肩に合わせ、すやすやと可愛らしい寝息が繰り返されるばかり。
 あー……。俺も、眠くなってきた。
 何とはなしに見上げた空には、雲一つ無く。ふわふわと舞う花弁の色が、空の青を更に印象付けたのであった。

 本日は、晴天なり。

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 2014_06_08




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
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8/2 オフライン更新
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