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真中記念日



C85にて配布したペーパーSS
2のパーチェED1後日談。ほのぼの甘め。
今年、めでたくご結婚をした、とある方に捧ぐ。





 

 客人がいらっしゃいました。そうメイドに告げられ向った部屋には、知った人物が居た。フェリチータは、彼女の名を口にする。
「フェデリカさん」
「こんにちは」
 にっこりと微笑んだのは、フェデリカドレスの店主。物腰穏やかなに立ち上がると、一つの包みを差し出した。
可愛らしいリボンでラッピングされたそれを見、フェリチータは、自身の顔を指差す。
「私に……?」
「ええ。開けてみて」
 言われるまま包みを開けると、一枚のドレスが中から出てきた。
 瞳にそれを映した瞬間、脳裏に蘇ったのは、過去の出来事。
 これは、確か、パーチェと一緒に選んだ………。
「見覚えのある品でしょう?」
 こくりとフェリチータは頷き返す。
 あの時、パーチェは、いつか必ず贈る、と約束をしてくれた。完全に忘れていたわけではないけれど。朧気ながらの記憶が鮮明なものとなった今、嬉しさで胸がいっぱいになる。
 その様子を見ながら。
「じゃ、支度しましょうか」
「………えっ?」
 何の、と疑問符を浮べたフェリチータへ、フェデリカは、笑みを深くした。


    真中記念日


 ドレスに着替え領主邸を後にしたフェリチータが、フェデリカに連れられやって来たのは、ファミリーの敷地内にある、あの教会だった。
 なぜ、ここに? 加えて、このドレスを贈られた意味は何なのだろう。
 今日は、己の誕生日ではないし、何かの記念日というわけでもない。贈り主がパーチェであるのは、明白だが。それ以外、全く見当が付かないのだ。
「こちらへ」
 フェデリカに促されるまま中に入れば、ファミリーの面々や領主邸の面々の他、顔馴染みである街の人々まで居たのである。
その大人数にフェリチータは驚嘆し、瞳を丸くした。
「おい、パーチェ。ご到着だぞ」
 上がった声の主は、デビトだろうか。
と、こちらへ、パーチェが歩いて来るのが見えた。
「フェル」
「パーチェ……あの、これって……?」
 周囲を見渡すフェリチータの腰を抱き寄せ、パーチェは、彼女の額へそっと唇を押し当てる。
「んー。よく似合ってる。綺麗だよ、フェリチータ」
「っ! パーチェ」
 いきなり皆の前で、と恥ずかしさに顔を赤らめたフェリチータへ、驚いた、と問い掛けるパーチェ。
 口角を持ち上げると。
「あのね、もう一度結婚式をあげようかなーって思ってさ」
「結婚式を?」
 思いがけない言葉に、双眸を瞬かせるフェリチータ。パーチェは、そうそう、と二度返事を返し。
「あの時は急だったから、みんなを呼べなかったでしょ? 顔を合わせる度に、みんなから、フェルのウエディングドレス姿が見たかったー!って、何度も何度も言われてね」
 パーチェとフェリチータの結婚式は、突然であった。結婚式だけでなく、プロポーズも突然で。しかも、パーチェが起き抜けに言ったのをはっきりと覚えている。
 あの頃は、色々なことが立て続けに起き、気の休まる暇があまり無かった。
穏やかな時間をこれから先も二人で過ごせるようになった今、もう一度という気持ちは、確かに、分からなくもない。
「で、どうせするなら、フェルとおれの誕生日の真ん中の今日が、いいかなって。ほらぁ~、お互いの誕生日の真ん中が、もう一つの結婚記念日って、何だか素敵じゃない?」
 言われてみて、はたと気付く。そういえば、今日は、パーチェのいうとおり、己と彼の誕生日の、丁度真ん中の日だ。
「おれも、もう一度、フェルのウエディングドレス姿見たかったしね」
 人懐っこい笑みを浮べたパーチェを前に、フェリチータは、まさか、こちらの方が本当の目的なのでは、と妙な勘ぐりをしてしまった。それほどまでに、やたらと笑顔なのである。
 見上げるフェリチータの目線に、己のそれを合わせたパーチェは、囁くように告げた。
「どう? フェル」
 断る理由など、ない。それに、約束していたドレスだけでなく、このようなことまで考えていたとは。
 込み上げた嬉しさに表情をほころばせると、フェリチータは、首を縦に振る。
「お嬢様、お召し替えを」
 メイドトリアーデが、フェリチータを奥へと案内する為、彼女の傍に歩み寄って来た。
久し振りの呼ばれ方に笑みを向けた後。
「パーチェ」
「ん?」
 肩越しに振り返ったフェリチータは、向き直ってから微笑みを湛える。
「このドレス、ありがとう」
 ドレスの裾を広げて見せ、そっとお辞儀を一つ。そして、双眸を弓なりに細めると。
「私も、今日で良かったって思った」
 互いの誕生日の真ん中である今日は、特別な日になる。大切な日が増えるのだ。こんなに嬉しいことはない。
 それと、もう一つ。とっても素敵なことがある。
嬉しい報告をしなくてはならない。
「だって、もう少し遅かったら、私、ドレスが着られなくなってたもの」
 そう言って、場を後にしたフェリチータ。
 残るパーチェは、首を傾げ。
「? どゆこと?」
 隣に立つデビトとルカとを交互に見やった。
 困惑顔のパーチェと違い、デビトとルカの顔色がそれぞれ一変する。デビトはにやにやしながらパーチェの背を叩き、ルカは複雑そうな面持ちで良かったですねと呟いていた。
「何がどういいの?」
「まーだ分からねえのか?」
「…………子供ですよ」
「ガキだ」
「えーっ! そうなのっ! おれ、パパになるのーっ?」
 パーチェの叫び声の後、彼に皆の視線が集まり、一際大きな歓声が沸き起こったのであった。

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 2014_06_08




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
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8/2 オフライン更新
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