FC2ブログ


スポンサーサイト

Category: スポンサー広告  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 --_--_--

気になる?


5/4 SCC22にて配布したペーパーSS。
わんこ兄弟に滾って出来上がった、リベフェリとパフェリ。
ほのぼのっぽいかな。




 

  気になる?   ~リベルタ~

 ふと目にしたものに、フェリチータは、視線を固定させた。じっとそれを見つめる。何だろう、と最初は、思っているだけだったのだが。段々と首を擡げてきたのは、好奇心にも似た気持ちで。
 触ってみたい……。
 そんな風に思うようになっていた。
 向けられた視線に気付いたリベルタは、困惑を混ぜつつも、彼女の眼差しに鼓動を少々高鳴らせながら。
「どうしたんだ? お嬢」
 平静を装い、問いを投げ掛けてみる。
 と、フェリチータは、口許に手を当てると。
「気になるの」
「な、何が?」
 言葉と共に詰められたのは、互いの距離。
 先よりも近くなったフェリチータは、手を伸ばせば触れられる位置に立っていた。しかも、彼女は、顔を上向かせているではないか。こちらが顔を僅かに俯かせれば、額に唇が当たってしまいそうなほどに。
 頬に赤い色をのせたリベルタは、ごくりと唾を飲み下す。
 色々な妄想が渦巻き始めた刹那、フェリチータの口から理由が告げられたのであった。
「寝癖」
「は?」
「ここ、寝癖がついてる」
 フェリチータが少しだけ背伸びをし、ぴんと跳ね上がっているリベルタの髪を一撫でする。柔らかな感触が手の平を掠め、ふわりと香ったのは海の匂い。
 彼女が、更に至近距離になったことは、素直に嬉しいのだが。理由が寝癖である事実に、りベルタは、落胆を抱かずにはいられなかった。つまり、もっと別な事柄を期待していたのである。
「あ、あああ、ああ。寝癖、ね」
 呆けていた表情をどうにか引き戻し、常と同じ、人懐っこい笑みを浮べた。
「まだ、残ってたのかぁ。直したつもり…だったんだけど」
 言って、相変わらず跳ねたままの髪に触れる。
 朝、鏡の前で、この寝癖には気付いていた。どうにかしようと、己の知る限りの方法を試してみるも、どれもこれも効果無し。結果、誤魔化すように隠していたのだ。
 が、それをまさか、一番気付かれたくないフェリチータに見つけられてしまうとは。
 今の今まで、それほど気になっていなかった寝癖も、指摘された事により、どうにかしたい衝動に駆られてしまったのだが。やはり、どうにもならず。触る度に、反発するかの如く、髪は、ぴんと跳ね上がるばかりだった。
 その様子を目の当りにしたフェリチータは、込み上げる笑いを抑えきれず。零れる声をそのまま唇に乗せる。
「お嬢。そんなに笑うなよ」
「だって……」
 情けない声色に、まだ、笑みが零れた。
 まるで、犬の耳みたい。
 片方しかないのだけれど。そう思ったのであった。


  気になる?  ~パーチェ~

 ふと目にしたものに、フェリチータは、視線を固定させた。己よりも高い位置にあるそれは、顔をそれなりに傾けなければ見えない位置にあるのだが。ふつりと浮かんでしまった好奇心の方が勝り、彼女は、それをじっと見続けたのである。
 触ってみたい……。
 いつの間にか、そんな風に思うようになっていた。
 向けられた視線に気付いたパーチェは、彼女の眼差しに、双眸を瞬かせる。どうかしたのだろうか、と。
「どしたの? お嬢」
 低い位置にあるフェリチータの瞳へ、自身のそれを近付けるよう態勢を落したパーチェは、にこりと笑んだ。
 と、フェリチータは、口許に手を当てると。
「気になるの」
「何が?」
 言葉と共に詰められたのは、互いの距離。
 近くなったフェリチータの顔。手を伸ばせば触れられる位置にある。が、互いの視線は少しだけ擦れ違っていた。つまり、彼女が見ている場所は、己の顔ではないという事になる。
顔は動かさず、向けられた視線を追ってみた。目だけをじわりと這わせ、辿り着いた先。それは、右上の髪の毛。
 こんなところに、何が?
 そう思っていた矢先、言葉が放たれる。
「寝癖」
「へ?」
「ここ、寝癖がついてる」
 フェリチータは、踵を浮かせ背伸びをすると、ぴんと跳ねているパーチェの髪を一撫でした。柔らかな感触が指先に絡みつき、甘い香りがふわりと鼻先を掠める。
 カラメル?
 そういえば、昼食のドルチェにプティングを食べた、と言っていたのを思い出し、どれだけの量を食べたのだろう、と思うフェリチータ。髪にまで残るほどとなれば、己の予想を遙かに超える量に違いない、と。
 パーチェはパーチェで、彼女から香る匂いに、双眸を柔らかに細めていた。このまま抱き締めて腕の中に閉じ込めたなら、己自身も、この香りに包まれるのだろうか、などと考えつつ。
「直らない……」
 髪を何度も撫でていたフェリチータは、強情な寝癖に呟きを一つ零した。
「でしょ? おれも、どーにかしようとしてみたんだけどぉ~。どーしても無理でさ」
 鏡の前で、何度も直そうと試みたのは、朝のこと。けれど、どうにもならず。そのままにしておいたのだ。それをフェリチータに気付かれ、この至近距離である。
 直さなくて良かったかも、パーチェが思っていると。
「犬の耳みたい」
 口許に笑みを浮かべるフェリチータを目にしたパーチェは、瞳と唇に曲線を描かせた。そして、一言。
「わんっ」
 犬の鳴き真似をしたかと思うと、じゃれる犬のように彼女の身体を抱き締めたのである。
「ちょ、ちょっと! パーチェっ」
「わんっ、わんっ」
「パーチェっ!」
 腕の中でもがくフェリチータの肩口に顔を埋め、パーチェは、その耳元に唇を寄せた。
「だって、お嬢から甘くて良い匂いがするんだもの。食べちゃいたいくらいに、ね」
 次の瞬間、照れ隠しによる踵落としが、パーチェの爪先に落され、何とも情けない悲鳴が響き渡ったのだった。

スポンサーサイト
 2013_08_19




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

ここは、SSサイトです
アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
パフェリ、孔花・師弟愛、仲花+孔、
テイルズ、stskなど雑多に書き散らしちう
8/2 オフライン更新
TOASS不定期連載中
初来訪者様はサイト説明必読お願いします
当ブログ内文章及び画像無断転載・複写厳禁
オンラインブックマークはご遠慮下さい。

メールフォーム

参加

検索フォーム




pagetop

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。