FC2ブログ


スポンサーサイト

Category: スポンサー広告  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 --_--_--

もう一つのプレゼント


パーチェ誕生日パフェリSS。
パーチェ、お誕生日おめでとうっ! パフェリ幸せになれ。




 

 ガルスタ掲載パーチェ誕生日小説の続き、なSSとなります。
 読んでなくても、概ね大丈夫…だと思いますけど。

 ワンクッショーン ということで。





 思いがけない事柄を告げられ、フェリチータは、困惑を露わとする。
「パーチェ……に?」
 双眸を瞬かせ、確認の意を込め呟くと。
「はい。親分、すっごーく喜ぶと思うんですよ」
「お願いできませんか? お嬢」
「お嬢! お願いしますっ」
「どうかっ!!」
 棍棒のコートカードであるパトリックとピノの二人から畳みかけられ、二の句を告げなくなってしまったのか。フェリチータは、赤く染まった頬を自覚しながら、ラザニアを頬張るパーチェを一瞥したのであった。


   もう一つのプレゼント


 館で行なわれたパーチェの誕生日祝いは、特大のラザニアとケーキとリモーネパイの他、数々の料理が所狭しとテーブルに並んだ。マーサが、相手がパーチェだからと気合いを入れ、腕によりを掛けた結果である。
 そのディナーの後、棍棒のコートカード達がパーチェを呼びに来た。己達も祝いたいという理由からで、バールへの誘いを二度返事で頷いたパーチェを見やり、まだ食べる気なのだろうか、とフェリチータが思ったのが、つい先程のこと。そして、今。話がある、とパトリックとピノから告げられ、料理を運ぶのを手伝うという名目で席を立ったフェリチータを含めた三人の話は、パーチェにキスの贈り物をという内容になっていたのだった。
「ど…どうして、キス……なの?」
 ふいに浮かんだ昼間の出来事を慌てて打ち消したフェリチータは、眼前の二人へ問い掛ける。
「そりゃぁ、親分が一番喜ぶからですよ」
「お嬢からもキスのプレゼントを贈られれば、最高の誕生日になると思うんですよね」
「………それは」
 そうかもしれない、いや、確かにそうであった。至極喜ばれた後、嬉しい言葉を告げられ、キスを交した。
 が、目の前の二人は、その事を知らない。見ていないのだから、当然なのだが。
 だからといって、既にもうしている、などとは到底言えない。恥ずかしくて、言えるわけがない。
 ぐるぐると思考が渦巻き始めたフェリチータは、ふと、ある事に気が付いた。
「………………も?」
 さっき、ピノは、こう言った。お嬢からも、と。
 ということは……。
「私からもって、他に誰かキスを贈る人が居る…の?」
「ええ。だから、尚更なんです」
 なんの躊躇いもなく、首を縦に振ったピノに、フェリチータは少なからずショックを受ける。
 一体、誰が? パーチェにキスの贈り物を?
 想いを寄せている子がいる、ということだろうか?
 色々な考えが巡る最中、今度は、パトリックが。
「親分にキスを贈りたい、って相談されたんですよ。で、俺達は、喜ぶからいいんじゃないか、って」
「い、いいって言った…の?」
「ええ。あんな無邪気な笑顔で言われたら、なあ?」
「はい。他の子からキスを贈られたのに、お嬢からは無いだなんて。親分、落ち込んだりしちゃわないかな、と」
「……お嬢、聞いてます?」
 顔を伏せ、黙り込んでしまったフェリチータを見、パトリックとピノは、不思議そうな表情となる。何かおかしな事を言っただろうか、と顔を見合わせ、再び、フェリチータへと視線を向けた。
 と、その時である。低い声色にて、ゆっくりとつむがれた科白は。
「分った。……キスする」
「本当ですか!」
「お嬢っ! 有り難う御座いますっ!」
 願いが聞き届けられた、と歓喜する二人を尻目に、フェリチータは、じわりとパーチェを見やった。
 ここで、ということに多少抵抗はあるが、頬になら、既に一回しているのだからそんなに恥ずかしくない、はずだ。
 だ、大丈夫……。
 そう念じながら、フェリチータは、パーチェの元へと足を向けた。
「パーチェ」
「ふぁに? お嬢」
「あ、あのね」
「うん?」
 ラザニアを頬張っていたパーチェは、呼び声に応えた後、口の中のものを飲み下す。
 同じ間合いで、掛けられた可愛らしい声。
「パーチェお兄ちゃんっ!」
「おーう。サラ」
 パーチェの傍へ駆け来たのは、サラ。ピッコリーノでよく顔を合わせる幼子だった。
 小さな身体をパーチェが抱き上げた途端、サラは、満面の笑みとなると。
「おたんじょうび、おめでとうっ」
 言って、頬へキスを贈ったではないか。
 目の当りとしたフェリチータは、動きを止める。
 キスを贈りたい……って。
「ありがとうっ」
 同様に、満面の笑みで返すパーチェを瞳に映しながら、ぽつり。
「…………まさか」
 パトリックとピノを睨み付けたフェリチータは、悲鳴を上げ背筋を伸ばした二人目掛け、渾身の蹴りをお見舞いしたのであった。


「そういうことだったんだぁ~」
 館への帰り道。蹴りの理由を聞いたパーチェは、さも嬉しそうに口許をほころばせる。
 が、隣を行くフェリチータにしてみれば、恥ずかしいことこの上ない。一部ぼかして告げられた所為もあるが、勘違いをしてしまった自身に、多少なりと落ち込まずには居られなかった。
「パーチェ、随分嬉しそう」
「だぁって~、やきもちやいちゃったんでしょ? 嬉しいに決まってるぅ」
 にこにこと零れる笑顔での言葉に、フェリチータは、頬を真っ赤に染め上げる。
 そんなに喜ぶことだろうか。こちらは、恥ずかしいばかりだというのに……。
 高鳴る鼓動を押さえようと、ふいに、パーチェから視線を外すフェリチータ。
 と、パーチェから突然手を握り締められ、驚きに顔を即座に上げた。
「あのさ、お嬢。まだ、おれの誕生日だよね。プレゼントは、もう貰っちゃったけど。もう一つだけ、いいかな?」
「もう……一つ?」
 確認を込め告げれば、ゆっくりと縦に首が動き、双眸が弓なりに細められる。その柔らかさに、どくり、と一際大きな音が刻まれた。
「誕生日が終るまで、おれの傍に居て欲しい。………だめ?」
 耳に心地よい声色が、心をくすぐる。
 フェリチータは更に頬を赤らめると、小さな頷きで返した。
 刹那、繋いでいただけであった手の指が絡められ、きゅっと微かに力が込められる。フェリチータは、掌から伝わるパーチェの温もりに、目頭が熱くなるのを感じていた。
「ありがとう。フェリチータ」
 ずっとずっと、どうか、この手を離さないでいて。
 声にならない想いを伝えるように、フェリチータも、その手に力を込めたのであった。

スポンサーサイト
 2013_08_19




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

ここは、SSサイトです
アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
パフェリ、孔花・師弟愛、仲花+孔、
テイルズ、stskなど雑多に書き散らしちう
8/2 オフライン更新
TOASS不定期連載中
初来訪者様はサイト説明必読お願いします
当ブログ内文章及び画像無断転載・複写厳禁
オンラインブックマークはご遠慮下さい。

メールフォーム

参加

検索フォーム




pagetop

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。