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諸刃

Category: 他テイルズ  

テイルズ・オブ・ファンタジアで、クラミラ。
誕生日プレゼントとして書いた、捧げものSS。
クラースさんは、きちんとしているところはあるんだろうけれど。
そこ忘れる?とか、なぜそこが雑に?という部分がある人だとおもう。



 

「……どうしたんだ? これは」
 テーブルに並べられた料理を眺め、クラースは、呟いた。
 視線の先にあるのは、常よりも数の多い皿と、それに盛り付けられた料理たちで。どれもが己の好物であり、ミラルドが得意とするものである。
 半ば呆然とした面持ちで立つクラースに気付き、双眸を瞬かせるミラルド。
「えっ?」
 こちらも同様な表情となり、まじまじとテーブルを挟んだ反対側に立つクラースを見詰めた。
「何か祝い事か?」
「あなた、もしかして……忘れてるの?」
 投げた疑問へ、更なる疑問が重ねられる。一種奇妙な空気の中、料理の温かな湯気が小さく揺らめいた。


   諸刃


「……んー、お前の誕生日は、この間だっただろう」
 椅子に座りながら続けた誕生日は、間違いなくミラルドのものだった。
 それから、指折りつつ、次々と上げてゆくのは、これまで旅を共にした者達の誕生日。けれど、そのどれもが、今日ではない。
 真剣な面持ちで唸るクラースを一瞥し、ミラルドは、呆れた表情となる。
「あなたの、よ」
 なぜ、何時まで経っても、この結論へ辿り着かないのか。不思議で溜まらない、と眼差しが言っていた。
 が、クラース自身は、瞳を丸くし己を指差しながら。
「私の?」
 再度確認をしたではないか。
 ふっと短い息を吐き出したミラルドは、両肩を軽く落とし。
「そう。あなたの誕生日」
「………そうなのか?」
 ミラルドは、あのねえ、と前置きをしてから一言。
「私に訊かないでよ」
 二度目の確認に、苦笑を零す。可笑しなやり取りだ、と思いながら。
 手にしていた皿をテーブルに置き、そっと眉根を寄せる。
「どうして、自分の誕生日を忘れて、私や他の人の誕生日を憶えているの? 逆じゃないかしら」
「そうか?」
「そうよ」
 上げられたのは、彼女曰くの一般論という代物。
 けれど、クラースにしてみれば、異なっているようで。この結果となった持論を告げようと口を開いた。
「あー……それは、だな」
 続けようとした科白が喉元まで来た刹那、なぜか、それを呑み込んだ。口許を覆い隠し、僅かに思考を巡らせると、視線をじわりと逸らす。
 クラースの仕草をに、ミラルドは、困惑顔となる。一体、何がどうしたというのだろうか。
 と、上がったのは、答えそのものを無しとする言葉であった。
「いや、なんでもない」
「? なに? 途中で止められると気持ち悪いんだけど」
 怪訝な表情となったミラルドへ、クラースは、意味ありげな笑みで返す。
「そろそろ、お前の誕生日ケーキの上に蝋燭が乗らなくなるな」
「あら。お互い様でしょ、それは」
 脈絡の無い憎まれ口には、誤魔化しも含まれている。詮索を避ける時に、よく用いられていたのを思い出したミラルドは、それ以上追求せず、半眼で応戦へと転じた。
 言わない事柄を無闇に追求しなくなったのは、生活を共にする最中で自然と身に付いた境界線めいたものである。聞いて欲しい事は、聞かなくても勝手に話す。逆に、聞かれたくない事は、頑として口を割らない。そういう人だと分かっているから、この話は、もう終わりなのだ。
 そんな間合いで、部屋の扉が、前触れなしに開け放たれる。
「やっほー! クラース、誕生日おめでとー!!」
 大声と共に飛び込んで来た少女は、魔法で散らした紙吹雪の向こう側で、満面の笑みを浮かべていた。
 驚きに双眸を見開いたクラースとミラルド。
 次の瞬間、ミラルドの口から、笑みが零れ落ちた。
「アーチェ……」
 額を抑え、低い声色で名を発したクラースは、ノックをしろ、と苦言を呈してから謝意を述べる。そして、ミラルドへと視線を転じた。
「私が呼んだの。お祝いは、みんなでの方がいいかと思って」
 頷きの後、笑みを浮かべる。
「また一つおっさんになったね!」
「祝うのか貶すのか、どっちかにしろ。対応し辛い」
 きゃらきゃらと笑いながら、ばんばんと背中を叩くアーチェへ、クラースは気怠げに告げた。
 えーっ!祝ってるじゃん!!とむくれて返したアーチェは、テーブルの料理に目を奪われたのか。歓喜の声を発する。更に騒がしくなると、ミラルドへ、ケーキはあるのか生クリームかチョコなのか等々、立て続けに問い掛けていた。
 その様子を見やりながら、クラースは、胸中でぽつりと呟く。
 おまえが憶えているから、自分で憶える必要がない。……だなんて、言えるか。
 先程言葉を呑み込んだ理由。声とすれば、恐らく、相手だけでなく。
「こっちも恥ずかしい……」
 互いに居たたまれないものとなる、諸刃。故に、噤んだ。
「何か言った?」
「いや」
 ささやかな声に首を傾げたミラルドへ、クラースは、小さく頭を振ったのであった。 

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 2013_05_11




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
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8/2 オフライン更新
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