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キミ雨ノ音

Category: 他ゲーム  

ワトエミの天使可愛さに、やられました。
ワトエミというよりも、ワト→エミなSS。
まだまだ模索中ですが。
本出したい!と思ったので、方向性とか自分の中にあるものをカタチにしてみました。
ほんと、わんわんカプ可愛い。



 

「うわぁー。降ってきちゃったかぁー」
 店を出た直後、目にした光景に両肩を軽く落したワトソン。
 手にしている紙袋の中身は、資料整理用にと買った紙。愛用している、手触りが良くて書き心地の良い品だが。ホームズに言わせれば、君の癖字を更に読みにくくしている時がある、という代物らしい。ともあれ、今は、それよりも、この雨をどう切り抜けて帰るかを考えるのが先決だ。
 曖昧な天気ではあったのだけれど、まさか、帰路に就くタイミングで降られるとは思っておらず。傘を持って出なかったのは、先見の目が無かったとしか言いようがない。
「雨宿りさせてもらおうかな」
 手に持つ紙袋が濡れないよう懐へ抱え込むと、店の中へと踵を返す。馴染みの店である上に、店主とは、よく馬の話で意気投合する。仕事の邪魔にならない程度に身を置くか、もしくは、雨が止むまで手伝いをすればすんなり置いてくれるかも知れない。そう思ったのである。
 

  キミ雨ノ音


 示された場所に紙の束を置き、ワトソンは、ふっと短く息を吐いた。
 今頃ホームズは、帰りの遅い己と雨から、それ見たことか、と思っているのだろうか。
「ホームズの言ったとおりだもんな」
 言って、軽く笑う。大丈夫だって、と軽く手を振って出て来た己を少々嘲る。
 降り続いている雨は、変わらず。店の屋根と窓を叩き、人通りの少なくなった街を包み込んでいた。
 何とはなしに眺めていると、店の主人が声を掛けてきた。
「ありがとう、ワトソン。助かるよ」
「いいえ。こちらこそ、間借りさせてもらってるんですから。これくらい、どうってことないですよ」
 謝意を述べられ、首を横に振り笑みで返せば、カップを差し出される。
「一息着くといい。止むまで、ゆっくりして行きなさい」
「有り難う御座います」
 帽子を取って一礼をすると、ワトソンは、カップを受け取った。
 ゆらりと温かな湯気の立上るそれは、甘やかな香りのする紅茶。
 アップルティー、かな。
 そう思いながら帽子を被り、背を壁に預けながら、一口。広がった甘酸っぱさに、やっぱり、と口角を持ち上げる。己の嗅覚は、飲食の類には滅法利くな、などと胸中で零してから、もう一口。
 雨の音に耳を傾けながら、何とはなしに、通りを見やる。この天気の所為か、人通りはまばらだ。
 一定のリズムを刻んでいる雨音に、ふと浮かんだのは、天気に纏わる話だった。他愛のない、流れで偶々辿り着いた代物だが、忘れないであろう会話。なぜなら、想い人エミリー・ホワイトリーとのやり取りであるから。
 雨の日も好きよ。嵐みたいなものは、流石に怖いけど。でもね、そっと耳を傾けた時、雨音が好きな音楽と似ていると心地良いなぁって。そう思うの。
 静かに微笑んだ彼女の顔を脳裏に描きながら、雨音に耳を傾けてみた。
 好きな音楽、好きな音。自分の好きなものの、何と似ているだろうか。
 目を閉じ、考えてみる。
 あれとは、違う。これとも、違う。そう幾度か繰り返し、思い当ったものに、ふっと笑った。
 ワトソン。
 己を呼ぶ声。他でもない、君の声。
 ああ、そういえば、今聞える雨音は、君が俺を呼ぶ声と同じだ。確かに、とても心地よい。
「………エミリー」
 極細に、彼女の名を呟く。
 この音が、君にとって心地よい音であればいいな、と願いながら、再び、雨音へ耳を傾けた。

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 2013_04_19




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
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8/2 オフライン更新
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