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クレマカタラーナをあなたに



1人バレンティーノ祭。
アルカナ・ファミリアでパフェリ。
フェリチータからパーチェへ。
喜ばせて、そして、驚かせる、バレンティーノドルチェ指南は、剣のコートカードとルカ?!



 

「ねえ、お嬢。お嬢は、バレンティーノの夜。どうするの? お誘いあった?」
 シモーネからの問い掛けに、フェリチータは、頬をほんのりと赤く染める。
 少しだけ戸惑いがちに。
「パーチェが……リストランテを予約してくれたみたいなの」
 言って、嬉しそうに、そっとはにかんだ。
 その愛らしさを目の当りにするも、ラファエロは、常よりも低い声色にて。
「へえ。よく予約が出来」
「そうなの。良かったじゃない、お嬢。で、何処のお店?」
 がばり、と即座に彼の口を手で押さえたシモーネは、続けられるはずであった毒舌を呑み込ませながら、誤魔化しとばかりに、再度問いを投げた。
「幹部長代理お誘いの店ってのに、興味があってね」
 理由を付け加えれば、さして気にしていなかったフェリチータは、迷いなど微塵も見せず、すんなりと。
「えっと……確か………」
 告げられた店の名に、ジョルジョが、へえと感心したような声を上げる。
「流石、と言うべきかな。独自の趣向があるリストランテだ」
 お楽しみがなくなるので言えませんが、と続けると。
「そう……なんだ」
「どうしたの? お嬢。何かあった?」
 てっきり、好奇心に満ちた表情をすると踏んでいたシモーネは、どちらかと言うと、沈んでしまった雰囲気である彼女に、優しい笑みを向けた。
 伝わった温かな空気に、フェリチータは、胸の内に燻っていたものを打ち明けたのである。
「あの、ね。実は………」   


  クレマカタラーナをあなたに


 遡ること数時間前。午前中の巡回を終えたパーチェと、屋敷の廊下で出会したフェリチータは、両手一杯に何やら抱えている姿に、双眸を瞬かせた。
 間近まで来たところで、フェリチータは、声を掛ける。
「パーチェ、凄い荷物だね」
「あ、お嬢。巡回してたら、街のみんなにもらっちゃって」
 それは、バレンティーノの贈り物。大小様々な包みのどれもから、とても良い匂いが漂ってきた。
 パーチェ曰く、巡回中、棍棒の面々と共にバレンティーノの贈り物を皆に配ったお返し、というのだが。明らかに、ただのお返しとは取りがたいものが混じっている。一目瞭然な代物ではあるも、パーチェは、どうやら気付いていない。
「ねえ、パーチェ」
「なに?」
 フェリチータは、にこやかに唇の両端を持ち上げたパーチェへ、お願い事を一つ。
「あの…今晩なんだけど。少し遅れそうなの。約束の時間、遅らせることって出来るかな?」
「えっ! もしかして、仕事?」
 首を縦に振る最中、ちくりと罪悪感が胸を刺す。
 本当は、仕事などではない。己の用意した贈り物が、先に目にしたものより、どうにも見劣りすると思ってしまったが故。
「分かった。じゃあ、一時間遅くしておくね」
 何の疑いも持たずに、パーチェはそう告げると、場を後にしたのであった。
 リストランテへと向かったであろう彼を見送ったフェリチータは、部屋に置いてあるビスコッティを思い出し、ふっと短い息を吐き出す。時間が無かったとは言え、流石に、もう少しどうにか出来ただろうに、と。
 ともあれ、今から何が出来るだろうか。ようやく仕事が終わり、これからが勝負でもあるのだが、名案は一向に浮かんでこない。
 事の次第を知った剣のコートカード達は、途方に暮れる幹部の姿を可愛らしいと思う一方で、パーチェに対しては羨ましいやら恨めしいやら。
「まずは、胃袋からっていうところね」
 パーチェが相手となれば当然だ、とシモーネが呟く。
 と、アントニオは、フェリチータを見やり。
「そう気負わなくても、要は気持ちだと……」
「そこが、乙女心の複雑なとこよ」
 指摘をし、シモーネは、ねえお嬢、と同意を求める。
 まったくもって、その通り。少しでも、喜んでもらいたい。そして、驚かせたい。
 気持ちを込めるのは勿論だけれど、最高の笑顔が見たいのだ。 
 ここで、ジョルジョが。
「………こういうのは、どうだろうか?」
 それは、リストランテで、フェリチータ手作りのドルチェを振る舞うというもの。
 話によれば、パーチェが予約したリストランテの、独自の趣向というのは、客の目の前でクレマカタラーナのフランベを行なう事らしい。つまり、内緒でフェリチータがドルチェを作って、パーチェの目の前で仕上げをと。
 確かに、そこまで出来れば、パーチェを驚かせることは出来るし、美味しいものであれば喜びもするに違いない。
 けれど、上手く出来るのだろうか。やはり、相応の指南役が必要で。
「え?! 私が、ですかっ」
「ルカなら、どうにか出来るだろうって剣のみんなが」
 満場一致で上がったのは、ルカの名だった。
 よりにもよって、なぜ、自分なのだろうかと思うルカ。しかも、パーチェへの。
「……まあ、やり方をお教えすることは出来ますが」
 剣のコートカードのやり場に困った思いの矛先が、己に向けられたとしか考えられないルカは、複雑な気持ちでいっぱいだ。
 が、フェリチータは、懇願の眼差しを真っ直ぐに向け。
「お願い、ルカ。店の方には、剣のみんなが話を通してくれるって」
 ここで否と言えないのが、ルカなのである。


「どれも、美味しかったね」
 満面の笑みを浮かべたパーチェは、うきうきとした口調にて。
「あとは、ドルチェなんだけど。ここのドルチェ、目の前で仕上げをするんだよ。凄いよね、楽しみ~」
 と、フェリチータは、運ばれてきたクレマカタラーナを見て、席を立つ。
 突然の行動に、パーチェは、驚きの声を上げる。
「え? フェル??」
 フェリチータはエプロンを受け取ると、クレマカタラーナの前へ。パーチェは勿論、他の客達の視線が、彼女へと集まった。そこで、ボーイが、本日のドルチェはお連れ様の手作りとなっております、と笑顔で告げたのである。
 感嘆の声が上がる最中、見事な手つきで、クレマカタラーナをフランベしたフェリチータ。一番近くで、しかも、己の為に其れを作ったと聞いたパーチェは、驚きと嬉しさに相好を崩す。
「どうぞ」
 照れ混じり、切り分けたクレマカタラーナをパーチェの前に置いたフェリチータは、高鳴る胸を押さえる。そして、じっと彼の言葉を待った。
 最初の一口を飲み下したパーチェは、至極嬉しそうに。
「とても美味しいドルチェをありがとうね、お嬢。おれ、感激しちゃった」
 くったくのない笑顔は、ふわりと心を温かくし、頬に赤い色を塗る。安心も加わり、口角を持ち上げたフェリチータは、良かった、と小さく零す。
 と、パーチェは、小さく手招きをし、フェリチータを呼んだ。
 何事かと傍へ顔を近付ければ、そっと耳元に贈られた囁き。
「それと、ね。フェルみたいに甘くて美味しかったよ」
「っ!」
 赤味を増させたフェリチータの頬へ、ドルチェよりも甘い口接けが贈られたのであった。


 クレマカタラーナ;クリームブリュレのイタリア名

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 2013_02_17




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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がっつりネタバレ 
パフェリ、孔花・師弟愛、仲花+孔、
テイルズ、stskなど雑多に書き散らしちう
8/2 オフライン更新
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