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手の平から伝えたい



2/11のラヴコレに行けずお留守番になったので、
アルカナ・ファミリアばかりでエアラヴコレをば。
続いての、デビフェリ。初々しい、付き合い始めなお話。
どっちかというと、フェリ→デビ



 

 それは、大抵、隠れている事が多い。
 常に、ではなく、大抵。つまり、必要な時には、隠れていないということだ。
 けれど、今は、隠れてしまっている。見えていない。
 ちらりと視線を走らせ視界に映していると、気怠げな欠伸が聞え、慌てて反らした。
 聡い彼には、直ぐに勘付かれてしまうかもしれない。そう思ったからだった。
 が、やはり、まだ隠れているのか気になり、視線を先よりも気付かれないようにゆくりと這わせて見る。
 ああ、隠れていた。
 落胆の色を濃くさせたフェリチータは、ふっと肩を竦める。
 手、繋ぎたいのになぁ……。
 願望を胸中で吐露すると、視線を元に戻したのであった。


    手の平から伝えたい


 所謂、癖のようなものだろう、とフェリチータは思った。
 朝、屋敷の中を歩いている時の彼ーーデビトは、少しだけ背を丸めている。まるで、猫のように。
 外の通りでは、他の者の、特に女性の目を意識しているのか。それとも、レガーロ男としての嗜みなのか。背は伸ばしていた。
 フェリチータが、幾度となく気にしている手に関してなのだが。屋敷では、常時、ポケットに仕舞われている。
 では、外の通りではどうか。有事の際に、直ぐさま拳銃を取り出せるように、仕舞われてはいない事の方が多い。とは思うものの、己と行動を共にしている時は、なぜか、己の側に有る手がポケットに仕舞われてばかりいるような気がする。
 もしかすると、たまたまで。気付いていない時は、そうではないのかもしれないが。己が見ると、手はポケットの中だ。
 一言、手を繋ぎたい、と言えばいいのだろうけれど。
 いきなり切り出すのは、変だろうし。かといって、何かの話の流れに乗じるにしても、どれにどのように乗じればいいのかが、そもそも分からない。要するに、己には、場数も手数も無いに等しいのである。
 いつだったか。勇気を振り絞って、手を繋ぎたい、と告げた時。
 一端、目を丸くして驚いた後、んな子供じみた事じゃなくて恋人らしく腕を組まねえかぁ、と意味ありげに笑みを投げられた。
 もちろん、すんなり頷ける筈もなく。慌てふためいた挙げ句、結局、腕を組むことも手を繋ぐことも出来なかった自分。
 もう少しだけ、照れ臭さがに気後れしないようになれればいいのだろうけれど。
 こちらの場合は、場数が皆無な為、更に難しい問題であった。
 ともあれ、目下の目標は、手を繋ぐこと。
 今日こそは!
 意気込み新たに、フェリチータは、じんわりと視線を這わせてみる。
 が、まだ、手はポケットの中だ。
 今は、屋敷の廊下を歩いている最中。デビトの手が、一番多くポケットに仕舞われている場所でもある。
 しかし、外でとなると、己が意識をしてしまい、言い出しにくい。となれば、此処で。
「どうした? バンビーナ」
「えっ! な、ななな、なんでもない、よ?」
「? あぁー。そうか」
 誤魔化しの笑いを貼り付けた表情に、眉根を寄せて返された。
 だが、それ以上の詮索は無く、ほっと胸を撫下ろすフェリチータ。と、何とはなしに目をやれば、デビトの手がポケットから出ているではないか。
 フェリチータは、思わず、反射的に自身の手を伸ばすと、デビトの手を握り締めたのである。
 けれど、はたと気付く。何の前触れもなしに、いきなり手を繋ぐなど、明らかに可笑しな行為だ。確実に、変に思われている。
 そう考えながら、恐る恐る顔を上げてみれば、初めて眼にする彼の表情が其処にあったのだった。
 今までで一番大きく見開かれた瞳の呆けた面に、微かに塗られている赤い色。それは、褐色の肌の上である為、決して、分かり易いものではないが。それでも、間違いなく、彼の顔は赤らんでいた。
「えっと、その…手、繋ぎたくなっちゃて………。だめ、かな?」
 恥ずかしさに耐えながら、どうにか紡いだ問い掛け。フェリチータは、高鳴る鼓動を押さえながら、デビトの答えを待つ。
 互いの手は、繋がれたまま。実際は、フェリチータが握っているのだけれど。それは、容易に振り解けてしまいそうな強さでもある。
 どうか、放さないでいて。このまま、繋いでいて。お願い。
 そう胸中で何度も願い、じっとデビトの目を見詰めるフェリチータ。
 すると、口許が柔らかに緩められ、口角が僅かに持上がった。
「バンビーナからの可愛い申し出を断るなんて、勿体ないことするわけねぇだろぉ」
 言って、指を絡め、繋ぎ直すデビト。
 瞬間、双眸に曲線を描かせたフェリチータは、手の平をそのままに、デビトの腕に抱き付いたのである。
「ありがとう、デビト」
 いつもの表情となったデビトへ告げた。
 頬の赤みが引いてしまったのは、少しだけ残念だけれど。繋いだ手が放されなかったことは、嬉しくて堪らない。
 次の瞬間前へと踏み出したフェリチータの足は、軽いステップを踏んでいた。

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 2013_02_11




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
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8/2 オフライン更新
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