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お嬢の可愛さにパーチェが身悶える話



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パーチェが、お嬢の可愛さに負けて、何かしたいけど出来なくて身悶える短編集。
不意打ちの攻め行為に適応力が乏しく、どうにもならなくなってしまうパーチェが居てもいいと思うんです。
あと、お嬢が可愛過ぎて固まるとか。
つまり、そういうパーチェばかり集めてみた。



 

  お嬢の可愛さにパーチェが身悶える話 その1

 書類を手に、棍棒の部屋を訪れたフェリチータは、探し人の名前を呼ぶ。
「パーチェ」
 が、其処には、誰も居なかった。
 ぐるり、と部屋を見回して見るが。やはり、誰一人として姿が無い。
「あれ? 居ない??」
 何処に行ったんだろう? 
 今日は、書類整理してるって言ってたのに。
 午後からの巡回は、コートカードのみとなっており、幹部のパーチェは期日間近の書類整理をする、という話だったはずだ。
 首を傾げたフェリチータは、ある一点で視線を止める。
 執務机の後ろ。椅子の背に掛けられていたのは、パーチェの上着。
 これがあるということは、たまたま不在なだけだろうか。
 フェリチータは、書類を机に置くと、それを見やった。
 パーチェの背広………。
 ふつりと湧いたのは興味。好奇心。右を向き、左を向き、誰も居ないのを確認すると、フェリチータは、パーチェの背広を羽織ってみたのだった。
「うわぁ! やっぱり、大きい」
 肩幅は勿論だが。袖途中までしか届かない己の腕。そして、丈の長さに見下ろしてみる。
「コートみたい」
 ロングコートまでとはいかなくとも、フェリチータの背丈では、ただの上着と称するには語弊のある代物と化していた。
 くるりと周って、背後の長さも見てみる。なんだか、楽しい。
 と、袖を口許へと持っていき。
「パーチェの匂いがする……」
 ふっと鼻先を撫でた空気に、表情を和らげた。
 頬を赤く染め、口許を柔らかに緩め。至極、幸せそうに微笑むフェリチータ。
 ちょ、か、可愛い。
 今直ぐ出て行って抱きしめたぃっ!
 執務机の下で、落ちてしまった書類を潜り込んで探していたパーチェは、目の当たりにした彼女の姿を前に、密かに身悶えたのであった。




  お嬢の可愛さにパーチェが身悶える話 その2

 先に行ってて。直ぐに終わらせて駆けつけるから!
 そうパーチェに言われ、フェリチータは、棍棒のコートカードたちを一足早くバールへと来ていた。
 グレープフルーツジュースを飲んでいたフェリチータは、ピノの手にしていたものに目を止め。
「それは?」
「これは、ホットワインです」
 と、イゴールが、二の句を告げる前に静止する。
「駄目ですよ。親分に、止められてますから!」
 飲ませるわけには、と続けようとした矢先。フェリチータは、にこりと笑みを向け。
「少しだけ。ね?」
「喜んで!」
 ピノの手からホットワインを取り上げると、フェリチータへ渡してしまったのだった。
 フェリチータのおねだり攻撃に負けたイゴールへ。
「いいのか? 親分に怒られるぞ」
 クラウディオが、耳打ちをする。が、当のイゴールは、悪びれる様子も無く。
「少しだけなら、分からないって」
「酔ったお嬢、見てみたくないのかよ!」
 しかも、パトリックがよくやったと賞賛しているではないか。
 自身にも下心がないわけではないクラウディオは、声を落すと。
「それは、全力で見たいけど」
 後々を考えたらなぁ、と不安で仕方ない。
「あーっ! 全部呑んじゃった……」
 と、ピノの声に、場の全員が凍りつく。
 瞬時に浮かんだのは、拳を鳴らすパーチェの姿。
「どーすんだよ!」
「どうしよう」
 慌てふためく最中、一際大きな声が、彼ら目掛け飛んできたのである。
「お嬢! お待たせっ! お前ら、たくさん食べてるかぁ!」
 驚きに、コートカードが息を呑んだ直後、それは起こった。
「パーチェっ!!」
 呼び声そこそこに、フェリチータは、飛びつくと言ってもいいほどの勢いでパーチェに抱きつくと、両手を首に廻し、彼の頬へ己のそれを摺り寄せたではないか。しかも、頬に唇を押し当て、首筋に顔を埋めたのである。
 不意打ちによる一連の出来事に、処理が追いつかないのか。行き場に困った様子で、パーチェの手が震えていた。普段のフェリチータならば考えられない行動ばかりなのだから、無理も無い。
 珍しいパーチェを前に、コートカードは双眸を瞬かせ。
「あ、身悶えてる」
「しかも、嬉しがってる」
「連続技だったからな」
「親分って、お嬢から攻められるとああなるんだ」


「まったく、あいつらは………」
 コートカードへ鉄拳制裁を喰らわせたパーチェは、フェリチータを腕に抱え上げ、館へと向っていた。彼女の服装の都合上と、己の好みによって、である。
「パーチェ! どうして帰るの?」
 ほろ酔い加減のフェリチータは、真横にあるパーチェの顔を見やり問い掛ける。
「今のフェリチータをああいう場所に置いておけるわけないでしょう」
 酒に酔った男達の騒ぐバールに、この状態の彼女は、非常に危険で気が気ではない。しかも、突発的に、自身へ何をされるか分からない以上、先程のような事態を回避しなければならないからだ。
 別に、いやなのではない。
 むしろ、大歓迎であるが。どうせなら、自分が何かをしても何ら問題の無い状況でが望ましかったのである。それと、酒に酔った彼女にどうこう、というのは、自身の流儀に反するとも思っていた。
「あー。ルカちゃんに見つかったら、怒られるだろうなぁ」
 恋人同士とはいえ、思慮のある付き合いというものを心掛けてくださいね、パーチェ。
 耳に痛い科白と、怖い笑顔を思い出し、途方に暮れる。
「だからって、おれの部屋に連れて行くわけにもいかないし」
「どうして、パーチェの部屋は駄目なの?」
「どうしてって、そりゃ………」
 見上げ問い掛けたフェリチータの眼差しに、言葉が詰まった。
 自制心が持たない。理性を保つ自信が無い。何を仕出かすか分からない。
 どれを告げても、築き上げた箍に自ら皹を入れるものに他ならない。
 全ての科白を飲み込んでから、パーチェは、フェリチータへと笑顔を向け。
「とにかく、今日は、もう帰って寝る。ね?」
「や。まだ、パーチェと一緒に居たい」
「んー。おれも、そうしたいのは山々なんだけどさぁ」
「一緒がいいの!」
 言い終わるや、フェリチータは、パーチェの首に両腕を廻す。そして、そのまま、想いを伝えるようにぎゅっと力を込めたのだった。
 が、少々、いや、かなり強かったらしく、パーチェの顔が青ざめた。
「締まる! 締まってる!!」
 フェリチータの腕を叩き、静止を促すが。効果が無い。それどころか、彼女は、これを上回る行動を取ったのである。
「私は、パーチェと一緒がいいーっ!」
 パーチェの肩へとよじ登ったフェリチータは、己の胸元に彼の頭を抱え込んだのだった。
「ちょ、ちょっと! この体勢は、非常にまずいからぁっ!」
 フェリチータの胸を顔に押し当てられる格好となったパーチェは、どうにも情けない声を上げるしかなかった。

「やっと寝てくれた」
 どっと押し寄せた安堵感。ベッドで眠るフェリチータを見、パーチェは、両肩を落とした。
 どうにか館へと戻り、あらゆる視線を掻い潜って、フェリチータの部屋まで辿り着いた。
 途中、騒ぐ彼女を抱き締めて、宥めて、諭して、言い包めて。部屋でも、幾度か押し問答を繰り返しての、今である。
「おやすみ、フェリチータ」
 酒の余韻の所為か。ほんのりと赤く色付いた頬を優しく撫で、パーチェは、額にそっと唇を落とした。
 離れた刹那、微かに身動ぎをしたフェリチータ。その口から、小さな声が零れる。
「パーチェ……」
 目の前に在る己を呼んだのではない。夢見心地であるが故のもの。ただの寝言だ。
 それへ、目尻を下げたのは、彼女の表情がとても愛らしかったから。
 寝顔も可愛いよなぁ。
 惚れた弱み。浮かんだ正直な気持ちが、笑みへと変わる。
「パーチェ………だいすきぃ……」
 と、次いでの寝言に、パーチェは、動きを止めた。
 ぎりし、と固まってしまった身体。縫い止められた両足。停止した思考。色々な音が遮断された耳に、己の鼓動だけが大きく響き渡る。
 これは、ただの寝言だ。そう、目の前の己の名を呼びはしたが、そうではない。
 とは、分かっているのに。声は容易に心を震わせ、綻んだ表情に体温が上がった。
 触れたい。
 触れて、抱き締めて、口接けて。沸き起こった想いを伝えたい。どれもが無理ならば、せめて……
 そっと、少しだけぎこちなく、パーチェは、フェリチータの頬に指先を触れさせる。
 躊躇いがちな動きの後、優しく包み込み、柔らかに撫でた。
 己も好きだ。
 そう伝えようとした刹那、ぽっかりとファリチータの双眸が明いていたのだった。
「あ、えーっと」
 もしかして、起こしてしまった……のだろうか。
 そう思った矢先、唇に柔らかなものが押し当てられた。
 緩やかに廻されたフェリチータの細い両腕が、髪をくすぐる。次いで、精一杯に伸ばされたそれは、パーチェの身体を抱き締めた。
「パーチェ、あったかぃ…ね」
 声は徐々に消え、そのまま、再び眠りへと落ちたフェリチータ。
 どうやら、まだ寝ぼけていたらしい。
 が、残る口接けの熱。肩に顔を押し当て眠る姿。
 ああ、もう。可愛い。可愛くて、可愛くて。どうにもならない。
 彼女の方からなのだしと理由を付けて、パーチェは、フェリチータの身体を抱き締めた。




  お嬢の可愛さにパーチェが身悶える話 その3


「ねえ、パーチェは、どうしてネクタイしないの?」
 館の廊下を歩きながら、フェリチータは、隣を行くパーチェに問い掛けた。
 ネクタイ、ねえ。と、前置きをしてから。
「ああいう堅苦しいのが苦手というかさぁ~」
 眉根を寄せ告げると、ぱっと表情を変え。
「似合わないでしょ?」
「そうかな? 似合うと思うけど」
 フェリチータの脳裏には、以前見た姿が思い描かれる。
 ほんと?と軽快な口振りで言ってから、パーチェは、唇に弧を描かせ。
「じゃあ、しちゃおうかなぁ。たまには」
「ほんとっ!」
 ぱん、とフェリチータは、歓喜に、両手を打ち合わせた。
 その仕草に多少驚きながら、彼女を見やるパーチェ。
「いいけど。随分と嬉しそうだね」
 そんなにも喜ぶ事であろうか。
 ネクタイ一つで?
 と、フェリチータは、頬を少し赤く染め。
「だって、曲がったネクタイ直してみたいなって思ったから」
「ネクタイを?」
「うん。新妻の務めだって、デビトが」
「っ!!?」
 ちなみに、結婚は、まだである。

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 2012_08_14




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
パフェリ、孔花・師弟愛、仲花+孔、
テイルズ、stskなど雑多に書き散らしちう
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