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おねだり・後篇



 7/29 パーチェ誕生日おめでとう!SS 後篇
 屋敷での出来事。
 パフェリとオールキャラ。甘いラヴコメ。
 まだまだ続く…よ?



 

 きっちりラザニアを十皿完食すると、ロメーオとロマーノが、ラザニアをもう十皿とケーキをそれぞれテーブルへと置く。それらも綺麗にたいらげ、パーチェは、鼻歌混じりに屋敷へと向っていた。
 後ろを行くアッシュは、何気なく帰りの足取りを急がせる。途中、上空を旋回していたフクロータに、屋敷で準備を終えたフェリチータが、様子を伺いに差し向けたのだろうと察し、多少遅れはしたが足止めは出来た事に安堵していた。
 頃合としては、夕食の時刻を少しばかり過ぎている。
 自室に受け取ったプレゼントを一端置いてから、パーチェは、食堂へ。アッシュも、それに続く。道すがらは、先程のバールで食べたラザニアについて話をしていたのだった。
「ただいまー」
 大声でパーチェが、食堂の扉を開ける。途端に、軽快な音が鳴り響いた。
 舞う紙吹雪。飾り付けされた食堂。そして、並ぶ料理。
 特出すべきは、中央に置かれたラザニアの皿。特大も特大で。その大きさに、パーチェの双眸は、輝きに満ち溢れる。
「え? なに? なんなの、これ?!」
 席に座るフェミリー達。扉を開けたままで、少し呆けた顔をしているパーチェの背をアッシュがぽんと押した。
「さっさと行けよ、ほら」
 等価交換!と付け加え、にやりと笑んだ。
 彼が食堂に入るや、皆が一斉に声を揃え。
「パーチェ誕生日、おめでとう!」
 祝いの言葉が贈られる。
「遅いぞ。予定なら、もう十分早く着いているはずだろう」
「そうですよ。折角の料理が冷めてしまうところだったじゃないですか」
「大方、凹んでだらだらしてたんだろ? ったく、テメーらしいぜ」
「そう言うな。パーチェも、突っ立ってないで、席に着け」
「要らないのなら話は別だが」
「何してるんだよ! パーチェ!!」
 ノヴァ、ルカ、デビト、ダンテ、ジョーリィ、リベルタの順で、それぞれが一言ずつ告げた。最後に、フェリチータが、パーチェの前へと歩み寄る。
 そっと微笑み。
「パーチェ、おかえり」
「ただいま!」
 言うが早く、フェリチータを抱き上げるパーチェ。彼女の腰に腕を廻し、己よりも少しだけ目線が高くなる位置まで持ち上げると、にっこり笑顔となった。
「えっ! ちょっと! パーチェっ」
 突然の出来事に、態勢を崩したフェリチータは、パーチェの首に両腕を廻し、しがみ付く。それに乗じ、彼女の頬に、自身のそれを摺り寄せるパーチェ。
 ぴたりと触れる、二つの頬。
 赤く色染めたフェリチータと、やたらと笑顔のパーチェ。そんな光景を前に、がたりと派手な音を上げ、席から立ち上がったのは、ルカ。
「パーチェ! どさくさに紛れて、お嬢様に何をっ!!」
「今日くらいは、いいじゃねえか。大目に見てやれよ」
 大人げねえ過保護帽子魔人ー、とデビトが横槍を入れる。そうだぞ、とりベルタは、後に続く。
 ぐっ、と苦味潰した顔のルカは、頬を引き攣らせながら、まあ今日くらいは誕生日ですし大目に見ましょう、と告げるも、声は震えていた。零れている相変わらずさに、ノヴァが苦笑する。
 そんなやり取りを余所に、パーチェは、目の前のフェリチータを見詰め。
「ね、ね、お嬢。誕生日祝い、ちょうだいっ」
 喜びの表情で、おねだり。
 何をとは、敢えて言わない。なぜなら、彼女なら言わなくても分かっている、とパーチェは確信していた。
 誕生日に貰って嬉しい、一番のプレゼント。
 以前、パーパの誕生祝いについて話した際に、デビトと共に告げた覚えがある。
 フェリチータも、思い出したのか。更に、頬を赤くし。
「こ、ここで? あのっ、でも……」
 みんなの前で、と周囲を見渡した。
 パーチェに抱き上げられた状態で、顔を真っ赤にし、こちらを気にするフェリチータの様子に、ルカは、何かを感じたのか。声を荒げ。
「パーチェっ! あなた、お嬢様に何を強要しているんですかっ!」
「えー? 強要じゃないよぉ~。ねー? お嬢」
 溢れんばかりの笑顔は、誤魔化しなどではなく、肯定でありながら否定をも含んでいた。
 これは、ただのおねだり。早く、とせがんでいるだけ。出来ない事をしろと言っているのではなく、出来る事を急かせているだけなのだ、と。
「えっと……」
 もちろん、フェリチータ自身も厭ではなく。むしろ、それを贈りたいと思っていた。ただし、みんなの前というのが、どうにも照れ臭いというか、恥ずかしいというか。
 そもそも、こんな見世物みたいな状態でしろと言われても。
 けれど、パーチェが己に向けている笑顔を見ていると、そういった類の事柄を考えている自分が馬鹿馬鹿しく思えてきてしまうから不思議だ。恋人同士なのだし、今更なのでは、とさえ。
 と、いまいち踏み切れないで居るフェリチータへ、外野から後押しがの声が飛ぶ。
「やってやれ、バンビーナ!」
「そうだー! お嬢!!」
「ほらほらぁ~。ああ言ってるんだし。ねっ?」
「あなた達っ! 煽ってどうするんですかっ! パーチェもっ!!」
 声の方へ、それぞれに顔を転じ、最後に、もう一度、パーチェを見るフェリチータ。
 きっと、いや、間違いなく、そうすれば、彼は、もっと笑顔になる。大好きな笑顔を、いっぱい自分に向けてくれる。
 だから、ほんの少しだけ、勇気を出せばいい。
「おれ、フェルからのお祝いが欲しい。それも、とびきりのヤツ」
 フェリチータの耳元に寄せられたパーチェの唇から、甘い囁きが紡がれた。
 肌に触れた吐息の熱に、鼓動が、大きくなる。体温が上がったのが分かる。
 柔らかに笑む双眸に己の姿が映り込んだ刹那、彼を好きだ、という想いが込み上げてきた。
 生まれてきたこと。出会えたこと。今まで過ごしてきたこと。こうして今在ること。そして、これから先、あなたの傍に在ること。
 一緒に、笑顔で。迷いや不安を一掃してくれる、大好きな笑顔があれば。
 誰よりも愛しいと感じるからこそ、いつも、彼が、己にしてくれるように。
 幸せだよ、と気持ちを乗せて。
 万感の想いを込めて。
「パーチェ。誕生日、おめでとう」
 言葉終わりに、口接けを。
「ありがとう、フェリチータ」
 唇に落とされた優しい感触へ、パーチェも、とびきりの笑顔で返す。
 と、再び、しかし、今度は、互いに顔を近付け口接けを交わした。とても自然に。まるで、何かを誓うかのように。
 喝采と歓喜と悲鳴と笑い声と。色々な声が渦巻く中、夜は、更けていった。

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 2012_07_29




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
パフェリ、孔花・師弟愛、仲花+孔、
テイルズ、stskなど雑多に書き散らしちう
8/2 オフライン更新
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