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おねだり・前篇



 7/29 パーチェ誕生日おめでとう!SS 前篇
 残りは、時間差でUPしていきます。 
 SD幽霊船後の話。
 盛大に祝ってやんよ! パーチェ、お誕生日おめでとう!!



 
 パーチェは、自身の顔を指差しながら、問い掛けた。
「えっ……おれの誕生日に?」
 七月のとある日。今月の二十九日にあるのは、パーチェの誕生日。
 当日、彼自身は、シエスタとなっている。そうではなかったのを誕生日くらいはと、自身でどうにか調整してシエスタとしていた。そして、それは、ファミリー皆の知る事柄。フェリチータも、その一人だった。
 本来なら、どうにかフェリチータ自身もスケジュールの調整を付け、朝から一緒に過ごしたかったのだが。どうも、そう上手くはいかず。けれども、己が職務を手際良くこなせば、午後からならば、という状況であったのである。
 そこで、意を決し、パーチェへ。
 パーチェと一緒に誕生日をお祝いしたいんだけど。
 二人で、と付け加え。
 彼を呼び止めたフェリチータは、ほんおりと頬を赤く染め、柔らかに微笑む。
「それで、他に予定とか」
「ないないない。あるわけ、ない! すっごく嬉い!」
 歓喜に笑顔となったパーチェは、勢いのまま、フェリチータを抱き上げる。くるりと回ってから、ぎゅっと抱き締め、彼女の身体を高々と持ち上げた。
 フェリチータは、そんな彼の、一連の行動に驚き慌てふためく。
「パーチェっ! ま、まだ、決まったわけじゃ」
「そっか。そうだった」
 すとん、とフェリチータを下ろしたパーチェは、双眸を弓なりとし。
「でも、大丈夫、でしょ?」
「………多分」
「えっへへ~。楽しみだなぁ」
 口許を緩めたパーチェへ、フェリチータは、約束事を一つ。
 誰にも言わないでね。


   おねだり


 フェリチータが、誰にも言うな、と言ったのには訳がある。
 彼女としては、日がな一日中のつもりであったのだが。無理を承知で、恋人の誕生日を一緒に過ごしたい、という理由を告げられなかったのだ。
 しかし、自身が頑張れば無理な話ではない。けれど、示しは、やはり付かない。
 ともあれ、剣のコートカードの面々は、それとなく察していた。その為の、当日の執務量であったのだが。無論、フェリチータは、その事を知る良しも無い。
「なに、それ。どういう事?」
 ダンテからの指令書を見、パーチェは、双眸を丸くした。
「だから、お前に指令を……だな」
「そこじゃない。この日付。明らかに、おれの誕生日だよね? シエスタの日だって、ダンテ、忘れてない?」
 指令書をダンテに見せながら、日付の部分を指し示す。そこには、きっちりと七月二十九日と書かれていた。
 ぐっ、と一度は、押し黙ったダンテだが。こんほ、と咳払いを一つした後。
「もちろん、覚えているが。元々、これは、この日に行われることで」
「おれの誕生日でシエスタも、この日なんだけど」
「分かっている。しかし、お前は、幹部長代理だろう? 指令は、絶対だ」
 持ち出された己の役職に、パーチェは、唇を引き結ぶ。それを持ち出されると、反論出来ないからだ。
「それとも、何か予定があったのか?」
 問いに、告げようとしていた次の不満を飲み込むパーチェ。
 予定。それは、フェリチータと一緒に過ごすこと。でも、これは、誰にも言ってはいけない約束。
「………………はいはい、分かりましたぁ」
 言って、パーチェは、盛大に息を吐き出したのであった。


「まったく。お前の提案で、散々だったぞ」
 ダンテは、差し向かいに立つリベルタへと告げる。ふっと短く息を吐き出した後、椅子に背を預けた。
 どっと疲れた、という彼の表情に、リベルタは、済まなさそうに。
「だってさぁ~、他に手が無くって。ほんと、ありがとな! ダンテ」
 にぱっと、人懐っこい笑みを浮かべ、ごめん、と謝罪も付け加える。
 リベルタがダンテに告げた提案というのは、パーチェの誕生日に関するもの。
 五月のとある日に、誕生日祝いだ、とパーチェからバールに連れ込まれ、盛大に祝って貰ったリベルタ。そのお返しをする為に、これまた盛大に祝い返してやろう、と計画を立てたのである。
 ファミリー皆を巻き込んで、パーチェには内緒で。
 しかし、黙って事を進めるには、本人が居ない方が好都合。其処で、準備が整うまでの間、彼に屋敷を留守にしてもらう方法が、あの指令だったのだ。
「なあ、リベルタ。この事をお嬢さんは、知っているのか?」
「へ? お嬢? これから話すけど」
 問いの意味が分からない、と双眸を瞬かせているリベルタへ、ダンテは、やんわりとした口調で説明をする。
「だったら、早い方がいい。お嬢さんにしてみれば、恋人同士になって迎える、相手の初めての誕生日だろう。何か予定があっても、可笑しくないんじゃないのか?」
「あぁーっ! そっか、そうだよなぁっ!! オレ、お嬢に話してくるっ!」
 ばたばたと大きな足音を響かせ、幹部長室を後にするリベルタ。
 その背を見送りながら、手遅れのような気がするのだが、ダンテは、胸中で呟いた。


 廊下を歩いていたフェリチータは、急ぎ足で此方へと向って来るリベルタに呼び止められ、パーチェの誕生日についての提案を聞かされた。
 当初は、驚きの声を上げたフェリチータも、リベルタの話を聞くうち、そっと目尻を下げる。
「で、当日は、準備が出来るまで、パーチェには指令で出掛けて貰う事になっててさ」
「私にも、何か手伝う事とかある?」
「もっちろん! パーチェを驚かせてやろうぜ! な!!」
 こくり、と頷きで返すフェリチータ。
 満足気に唇の両端を持ち上げたリベルタは、また忙しなく走って行く。恐らく、他の面々に伝えに行ったのだろう。
 一人残ったフェリチータは、ぽつりと呟く。
「約束、守ってくれたんだ」
 リベルタの口振りからすると、パーチェと己がシエスタを過ごす予定になっていたのを知らないのは明白だった。そして、パーチェに指令を告げたダンテも、また。
 ということは、パーチェが黙っていたということに他ならない。
 彼が黙っていたのだから、己も言うわけにはいかない。そもそも、己が持ち出した約束事でもあるのだから。
 仕事に戻ろう、とフェリチータが歩を進めようとした時。
 今度は、ダンテから声を掛けられた。
「お嬢さん」
「なに? ダンテ」
 急ぎの用事でも出来たのだろうか。
 そう思っていると、少々跋の悪そうな顔をしたダンテは、滑りの良い頭うを掻きながら。
「パーチェの誕生日のことなんだが。もしや、何か予定があったんじゃないのか?」
「えっ!」
 思わず上がった声に、ダンテは、ふっと息を吐き出す。
「やはり、そうか。すまない」
「いいの。リベルタも、パーチェの誕生日祝いをしたいって思ってのことなんだし。みんなも、それは、一緒でしょ? だから、私の我侭で、それを無しにすることは出来ない」
 これは、嬉しいこと。喜ぶべきことだ。
 そっと笑み、フェリチータは、続ける。
「パーチェと一緒に過ごせる事には、変わりないから」
 二人きりではないけれど、誕生日を祝うことは出来る。
 楽しい時間を過ごせることに変わりはないのだから。
「だが、埋め合わせは、させてくれないか?」
 そう言うと、ダンテは、柔らかに双眸を細めた。

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 2012_07_29




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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