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Ti  ringrazio tanto



6/18 フェリチータ誕生日おめでとう!SS 
パーチェED後のお嬢誕生日のお話です。
タイトルは、「本当に、ありがとうね」という意味です。
お嬢、お誕生日おめでとう! だ・い・す・き・だーーー!



 

 明日は、夜の聖誕祭までお休みですから、ゆっくりしてくださいね。
 そうルカに告げられ、その聖誕祭がどれだけゆっくり出来ないものかを思い出すフェリチータ。
 これまで、己の聖誕祭は、何事も起きずに終わった試しがない。何かしら事が起きているのだ。
 明日こそは、何もないといいんだけど……。
 そう胸中で呟きながら、フェリチータは、ベッドに潜り込んだのであった。

   Ti ringrazio tanto

 誕生日、か。
 ふと思う。
 己が生まれた日。特別、という感覚は、あるような無いような。
 嬉しい、という気持ちがあるのは、祝ってくれる誰かが居る所為だろう。
 おめでとう、と告げられ、ありがとう、と返す。
 それだけの事だけれど。心は、とても温かくなる。これは、毎年同じ。
 今年も、それは、変わらないものだとは思っていた。
 と、何かが窓に当たる音が聞こえ、フェリチータは、身を起こす。
 不思議に思いながらも、窓の傍に立つ。と、人影が見えた。
 え?
「パーチェ!」
 驚きの直後、其処に立っていた人物の名を呼ぶフェリチータ。
 次いで、急ぎ窓を開ければ、屈託の無い笑顔が向けられたのであった。
「おっ嬢! チャオ!」
「どうしたの? こんな時間に」
 しかも、窓の外に??
 双眸を瞬かせているフェリチータへ、パーチェは、小さな花束を差し出し、こう告げてきたのである。
「Buon Compleanno!」
「………えっ」
「今日、お嬢の誕生日でしょ?」
 ぱっと、フェリチータは振り返り、時計の時刻を見やる。針は、日付が変わった時刻を示していた。
 そうか。そういうこと……。
「誰よりも早く、お嬢に、おめでとうって言いたくってさ」
「それで、窓から?」
「そう。窓から。驚いた?」
 こくり、と首を縦に振るフェリチータ。
 花束を受け取ると、にこりと微笑み。
「ありがとう、パーチェ」
 頬を赤く染めるフェリチータを見、パーチェは、口許を綻ばせる。それから、ぴっと人差し指を立て。
「でね、プレゼント何がいいかなーって考えたんだけどぉ。お嬢のお願い、何でも聞くからさ。思いっきり我侭言っちゃって」
 思わぬ言葉に、フェリチータは、目を丸くした。
 指を一つ立てている、ということは、願い事も一つということだろう。
「ちなみに、聖誕祭の時は、別のものがあるから、こっちも楽しみにしててね」
「………何でも?」
「そ! なーんでも!!」
 と、いきなり言われても。そう直ぐに思い付くはずも無く。
 そもそも、何でもの許容範囲がどの程度のものなのだろうか。本当に、どんな我侭も叶える、とでも?
「おれね、おめでとうとありがとうの気持ちでいっぱいなんだ」
 思考を巡らせていたフェリチータの耳に、パーチェの言葉が聞こえてきた。
 おめでとう、は分かる。
 でも……
「あり…が……とう?」
 それは、こっちが言う科白なのでは?
 思いながら、パーチェをじっと見つめれば、弓なりに細められた眼鏡の向こうにある瞳二つ。
「まずは、誕生日おめでとう。それと、生まれてきてくれて、ありがとう。お嬢と出会えた事にありがとう。そして、おれを好きになってくれて、ありがとう」
 言葉尻に、そっと微笑が添えられる。
 瞬間、とくり、と心臓が熱い音を刻んだ。頬が、上気していく感覚に、フェリチータは、きゅっと唇を噛む。
「こうして、お嬢の隣で、一緒に笑って居られる。それが、凄くすごーーーーく嬉しいんだ。どんなにありがとうって言っても足りないくらい」
 今、ここに、こうして在るのは、君が傍に居てくれるから。
 己の傍で、笑ってくれるから。
「……だから、ね。一番のありがとうは」
 最初は、ただ、その笑顔を見れるだけで良かった。
 けれども、いつしか、その笑顔を向けて欲しいと思うようになっていた。
 望んではいけないと諦めもしたけれど。でも、それでも、想いは止められなかった。
 君への想いだけは、何があっても揺るがないものだと思い知ったから。大好き、という気持ちを込めて。
「誰よりも近くで、大好きなお嬢の笑顔を見れる幸せをありがとう」
 これまで目にしたことのある、どの笑顔よりも優しい空気を纏い、破顔するパーチェ。
 あたたかい。太陽のような。それでいて、陽だまりのような。
 そっと己を包み込んでくれる柔らかな……
「えっ!? お、お嬢っ!!」
 ひとつ、また、一つ。フェリチータの瞳から、泪が零れ落ちる。
 それを目の当たりにしたパーチェは驚嘆し、窓の柵を乗り越えると、彼女の部屋の中へ。だが、何がどうなったのか分からず、困惑するばかり。
 すると、フェリチータは、パーチェの胸に顔を押し当てた。そして、彼の背へ両手をのばし、きゅっと抱き締めたのである。
「ぁりがとう……ありがとう、パーチェ。ありが……と………」
 泪混じりの声に、感謝の言葉が続く。
 本当は、もっと別の言葉を言いたいのに。溢れてくる気持ちを声にしたいのに。
 紡ぐ事が出来たのは、これだけだった。
「このまま、ずっと…一緒に居て」
「へ?」
 パーチェの素っ頓狂な声に、フェリチータは、顔を上げた。
 双眸を大きく見開いている彼を下から見詰めながら、泪をしゃくり上げる。
「お願い。なんでも聞くって」
「あ、ああ。えーーーと、このままって? え??」
 己に抱きついているフェリチータ。
 泪に濡れた双眸での懇願が、ずっと一緒に居て、というのは、今からずっと?
 色々な想像が渦巻くパーチェに、フェリチータは、再度問い掛けた。
「だめ、かな?」
「だめ…じゃないけど」
「けど?」
「正直、何もしないでいる自信は、無い」
 真顔での解答に、今度は、フェリチータが目を見開いた。
 奇妙な沈黙。
 次の瞬間、思わず込み上げた笑いに、フェリチータが吹き出した。パーチェも、間髪入れずに笑う。
 互いに声を上げ一頻り笑い合うと、どちらからともなく唇を重ねたのだった。
 おめでとう。そして、ありがとう。

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 2012_06_18




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
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8/2 オフライン更新
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