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ゆらゆら揺れる



 連続更新企画;お嬢受けSSコンプリート作戦!ww
 その6 ダンフェリ
 乙女お嬢が、お悩みモードで、ご相談。




 

 その言葉を発した直後、後悔をした。
 彼が、困った顔をしていたから。
 どうにも子供な自分に、腹が立つ。
 あれから、謝る事が出来ていない自分には、もっと……


    ゆらゆら揺れる


 盛大なため息を吐いたフェリチータを見、ノヴァは、己の手を止めた。
 書庫の一角。本を読むノヴァとは、少し離れた場所に、フェリチータは、座っていた。蹲るように。何をするでもなく。
 静かな書庫の中、フェリチータの吐き出した息の音だけが、ゆらゆら揺れて、漂い消える。余韻を撫でた空気は霧散出来ずに、僅かな重さを含んで床上に重なった。
 音を立て本を閉じたノヴァは、じわりと半眼を投げつける。
「阿呆か、お前は」
「そんなに、はっきり言わなくてもいいじゃない」
 相談を持ちかけたのは、確かに己だが。もう少し言葉を選んでくれてもいいだろうに。
 容赦の無い科白に、フェリチータは、唇を尖らせた。
 先日、ダンテと共に出掛けたのは、新たな取引の交渉だった。その席にて、己は、ダンテからこう紹介されたのである。
ファミリーの新たなトップとなる、パーパの娘・フェリチータ嬢だ。
「他に言いようが無いだろう」
 はっ、と嘲りを含んだような息が、更に突き刺さる。
「そう……だけど」
 少しだけ、期待をしていた。ダンテとの結婚を間近に控えているのだから、己と婚約しているだとか、そうでなければ、似たようなニュアンスの科白を続けてくれるのではないか、と。
 交渉は何の問題も無く終わったのだが。その帰り道、つい、口から出てしまった科白。
 私は、ダンテの何?
 後悔をした。反省もした。自分で自分が許せない。よって、ノヴァの言い分に間違いはないのである。
「何が不満なんだ?」
「不満は、ない。不安なだけ」
 ダンテは、優しい。少し不器用な部分もあるけれど。己を大切に想ってくれているのを感じることも出来る。
 でも、時折、思ってしまうのだ。
 己は彼と違って子供で、大人の女性ではない。未熟なところだらけ。今回の事にしても、もっと別な態度が出来なかったのだろうか、と。
「相手の男というのは、島外の人間だっただろう?」
「うん。商業船の持ち主で、貿易商をしているって言ってた」
「それなら、尚更、ダンテが正しい」
 一呼吸置くと、ノヴァは、射抜くような眼差しでフェリチータに告げる。
「お前の、その立場を利用されないように、敢えて言わなかったんだ」
 フェリチータは喉を詰まらせ、眼を見張った。
 ダンテとの関係を知り、己に危険が及ばないように。
「まったく。事前把握しておけば、直ぐに判断出来た事柄じゃないか」
 相手の詳細は、文章としてお前の所にも届いていたはずだ。
 付加された科白に、フェリチータは、項垂れる。
「ごめん……なさい」
「謝罪は、ダンテにすべきだ。僕じゃない」
「うん。そうだね」
 言葉終わりに立ち上がったフェリチータは、書庫を後にしたのであった。ノヴァに謝意を告げ。


「ダンテっ!」
 港で、その姿を見つけ、名を呼ぶフェリチータ。それに気付き、彼も、彼女のほうに顔を向ける。
「フェリチータ……」
「もしかして、彼女が?」
 ダンテの隣に立っていた人物が、駆け寄って来たフェリチータを見るや、笑顔となった。
「あ、ああ」
 この人は、前に会った事がある。確か、半年くらい前に。
 ダンテから、長期の漁へ出掛けるから年に数度しか帰って来ない、と。古い友人の一人で、名前は……。
 記憶を思い起こしているフェリチータを余所に、ダンテは、男へ改めての紹介を始めた。
「新しくファミリーのトップとなる、ドンナ・フェリチータ」
 ごほん、と咳払いをし。
「俺の妻だ」
 言って、破顔したのである。
 歓喜により、フェリチータがダンテに抱き付いたのは、その直後。驚きの声と笑い声が、港いっぱいに響き渡ったのは、言うまでもない。

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 2012_05_03




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
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8/2 オフライン更新
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