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内緒だよ・前編



 長期休暇ポテンシャル継続の為に行ったリクエスト企画 ひとつめ
 リクエスト;ED後のパフェリで、秘密のデート
 長くなったので、前後編に分けました。



 

 秘め事、というには大袈裟かもしれない。
 でも、秘密には変わりはないものだと思う。
 誰にも邪魔されずに、ふたりきりで。
 これは、或る夜の出来事。


   内緒だよ・前編


 昼間に、二人きりで出掛けた事が無いわけではない。所謂、デートよ呼べる代物をしていないわけでもない。
 手を繋いで歩いたり、腕を組んだこともある。流石に、昼下がりの、しかも、人通りの多い場所で不意に抱き締められた時は、驚きにより廻し蹴りをしてしまったこともあるけれど。恋人同士らしく過ごしている、とフェリチータは思っていた。彼が、こんな呟きをするまでは。
 みんなに内緒でデートっていうのは無いね。そういえば、さ。
 言われてみれば、そうかもしれない。
 が、そもそも、そういうものが必要なのだろうか。
 ふつりと浮かんだ疑問を口にすれば、逆に、パーチェから聞き返されてしまった。
 えー? あったら、何だか楽しそうじゃない? 二人だけの秘密、ってさぁ~。
 告げられた言葉を胸中で反芻し、分かった気がする。二人だけにしか分からないものというのは、確かに、その響きだけで心がちょっとだけ弾むものだ。それと、嬉しいというか。パーチェが言うように、楽しい部類となる気持ちが込み上げた。あくまでも、ちょっとだが。
 けれど、そもそも、無理な話だと思う。
 二人で出掛ける為には、互いの仕事の調整が必要だし、関わるセリエの面々へ其の旨を伝えなければならない。街に行けば、島民の安全を護るという名目で巡回―――別名・飲み食いをしツケだらである棍棒の幹部であるパーチェを知らない者を探す方が難しい。
 また、パーチェの気さくな人柄もあってか。行く先々で声を掛けられ、人だかりが出来る事もあるくらいだ。
 その張本人が、何を言っているのだか。
 などと思ってしまうのは、フェリチータにしてみれば、ごく当然な流れ。しかし、パーチェにしてみれば、どうしたらいいのだろうか、という課題になってしまうらしい。
「今晩、どうかな?」
「えっ?」
「だから、さ。秘密のデート」
 そっと耳打ちされ、双眸を瞬かせるフェリチータ。驚きの顔でパーチェを見上げれば、満面の笑みで返された。
 今晩……ということは、夜に?
「大丈夫だって。見つからないように迎えに行くから。ね?」
「本気なの?」
「もちろん。おれ、大真面目だよ」
 かくして、夜、秘密のデートを決行する運びとなったのだった。


 窓の鍵を開けたフェリチータは、ベッドに腰掛け、パーチェが来るのを待っていた。
 が、ふと、いつもと違う感覚に気付く。
 なんだろう。私、普段のデートよりも……ドキドキしてる?
 胸に手を当て、自身の鼓動の大きさを確かめてみた。
 やっぱり、そうだ。
 自覚が、頬を色付かせる。戸惑いと照れ臭さと、妙な嬉しさが混じり合い、口許が綻んだのが分かる。火照った頬を両手で押さえれば、手の平に伝わった己の熱。
 お、落ち着け、私。もう直ぐ、パーチェが迎えに来るんだから。
 こんなにも子供っぽい己など見せられない、と頭を振っていると、真上から声が降ってきた。
「何してるの?」
「っ!」
 叫ぼうとした名前が、口接けにより呑み込まれた。離れた瞬間に零れる吐息。
 驚きに見開いた双眸に映ったのは、悪戯に笑うパーチェ。
「大声出しちゃ駄目でしょ。みんなに気付かれちゃう」
 しっ、と人差し指で己の唇を押さえると、フェリチータの其れへも同じ仕草をする。
 だからって、唇で塞がなくてもいいのに。絶対、わざとだ。
 一気に赤くなった顔のまま見やれば、小さな笑い声を噛み殺している姿があった。
思わず頬を膨らませたフェリチータへ、今度は、宥めの科白が告げられる。
「なーに怒ってるの?」
「怒ってない」
「またまたぁ~。ほっぺが、ぷっくり膨れてるのに?」
 頬を包み込んだ大きな両手は、そのまま、フェリチータの顔を傾けさせてゆく。そして、今度は、瞼上に唇が触れた。
 優しい熱が一つ。拗ねた心を溶かし、代わりに、くすぐったさを残す。
「ほら、機嫌直してよ。これから、楽しいデートなんだから、さ」
 言って、フェリチータの身体を徐に抱き上げるパーチェ。
「誰の所為?」
「おれ、かな。うーん。間違いなく、おれだね~」
 何とも軽快な口調が可笑しくて。フェリチータは、つい笑ってしまった。そのまま、弧を描いた唇をパーチェの耳元に寄せると、首に腕を廻し、囁きを贈る。
「楽しませてくれないと、許さないんだから」
「任せてちょーだい」
 言葉終わりに、二人の唇が重なった。

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 2012_04_29




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

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アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
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