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無邪気なる探究心にご用心



 ツイッターで出来上がったネタ。
 即興SSであったものに、若干の加筆修正を加えました。
 お嬢の妙な探究心により、パーチェが身悶える話。無邪気は、罪作り。



 
 
 探究心とは。何かを知りたいという欲求。行動を起こさせる根本原因になり得るもの。
 無邪気とは。他意の無い純粋なる想い。裏の無い心。
 時として、探究心は、起こしてはならない場面というものがある。そして、無邪気は、時に、罪作りな行動を起こしてしまう。
 この二つが掛け合わされた時、其処には、奇妙な光景が生まれることだろう。
 つまり、今回がそれなのである。


  無邪気なる探究心にご用心

   
 事の始まりは、ほんの些細な事だった。フェリチータと巡回から帰って来たパーチェが、掃除終わりのメリエラと出会い頭にぶつかってしまったことが発端である。
 メリエラの手にしていた水桶をものの見事に被ってしまったパーチェは、懸命に謝罪する彼女に笑顔で、着替えればいいだけだから、と軽い口調で返し自室へと向かった。その後をフェリチータが付いて行ったのは、別段深い意味は無く。巡回の後、パーチェと昼食を一緒にとる約束をしていた為だ。他に理由など無い。その更なる後ろに、様子を窺っている存在が居るなど知る由もなく。
「ちょっと待っててね、お嬢」
「うん」
 部屋に入るなり、無造作に背広を投げたパーチェは、手早くクローゼットから着替え用のシャツを取り出した。
 フェリチータは、ソファに放られた背広を自身の腕に掛けると、何とはなしに振り返る。と、目線をぴたりと止めた。シャツを脱いで上半身裸になったパーチェの身体に、双眸を幾度か瞬かせる。
「なに? どうしたの? お嬢」
 背後から感じた視線に、パーチェは振り返った。なぜか、こちらを食い入るように見ているフェリチータを前とし、ふと動きを止める。
 何か気になるところがあるのか? もしかして、可笑しなところとか?
 疑問符を浮かべながら、自身の身体を見下ろすパーチェ。腕を上げてみたり、背中を見下ろしてみたり、胸や腹を眺めたり。が、普段と何も変わっていない。何の変哲も無い己の身体。
 軽く首を傾げた後に顔を上げれば、いつの間にか、至近距離までフェリチータが迫ってきていたのだった。
「お嬢?」
 一体、何事だろうか?
 疑問を含んでの呼び声は、フェリチータの耳に届いておらず。彼女は、ただパーチェを――パーチェの身体を凝視している。
 と、ぽつりと呟きを一つ。
「綺麗な身体……」
「はぃ?!」
 思いもしなかった科白に、パーチェは、まじまじとフェリチータを見やった。
 まさか、彼女の口から、こんな言葉が出ようとは。
「思ったよりも筋肉付いてる。引き締まってもいるし……」
 均等が取れてる。余分な所が見当たらない。
 などと、ぶつぶつ小声で続けている。
「そう? でも、お嬢の身体のほうが綺麗だと思うよ。抱き心地も良いし~」
 あまりにも真剣な眼差しをしているフェリチータへ、茶化した口調で告げるパーチェ。
 実際、彼女の身体というか裸をその目で隅々まで見たわけではないのだが。抱き締めたり、触れたりした感覚で、ある程度の肢体ならば想像が付く。
 通常なら、ここで回し蹴りの一発でも飛んできそうなのだが。
「って、聞いてない……」
 パーチェの声は、フェリチータの耳を素通りしてしまったらしく、事態は何も変わらない。
 しかも、先ほどより、己の身体に顔を近づけているような気がする、とパーチェは思っていた。
「お腹…いつもぱんぱんになってるのに、すっきりしてる」
 ぺたり、と、フェリチータは、パーチェの身体に触れる。
「ちょ、お嬢?」
 フェリチータの突然な行動に、パーチェはぎょっとした。
 驚き見下ろす彼女の顔と己の身体との距離は、もう無いといっても過言ではない。
 しかし、パーチェの胸中を意に介さず、フェリチータは手の平で彼の腹を触り、すっきりとし且つ均等の取れた肉付きを撫でたのである。
(可笑しい…)
 再び、ぺたり。上から順々に触れていき、臍の周囲を何度も触っていく。というよりも、ほぼ弄るに近い行動。
 驚きと困惑とが一気に押し寄せたパーチェは、予想などしなかった事態になす術無く、されるがままになっていた。
 フェリチータにしてみれば、然程、深い意味のある行いではない。ただ、純粋に気になったのだろう。
 好奇心からの探究心。
 が、パーチェにしてみれば、そうはいかない。
 触れられる度に、手の平から伝わる熱。時折滑る指先。
 興味本位での行動で、何かしらの他意がないのは分かっているが。正直、意識は、そうもいかなくなってくる。
 理性により押さえ込まれている諸々の欲求というか欲望というか。そういった類のものが、フェリチータの手からの熱により煽られているようで。箍となっている理性が溶かされていくような。
「あーっと、お嬢、あの、そんなに触られると、おれ、我慢の限界が……」
 じわりと心情を吐露してみるも、フェリチータは変わらず。パーチェの鬩ぎ合う葛藤など気にも留めず、己の探究心のまま、身体を触れるばかり。
(どこにいってるんだろう。太らないし)
「もうそろそろやめてもらえると嬉しいなーなんて」
(あ、ここ、傷とかある)
「うひゃぁ!」
 下腹部を触られた瞬間、奇妙な声が上がった。
 しかし、それでも、フェリチータは、事態を把握しておらず。パーチェの身体を手の平で触れていた。


 さてはて。こちらは、パーチェの自室前。扉一枚隔てた場所では、別の攻防戦が繰り広げられていた。
「止めないでください、デビト。お嬢様の純潔を今守らずしていつ守るんです!」
 今にも中に駆け込もうとするルカの手には、ナイフが握られている。
 それを後ろから止めているのはデビト。薄い笑みを浮かべて、半ば、状況を楽しんでいる様子であった。
「もう少し待て。面白いとこなんだから、な! あのパーチェが押されてるんだぞ!」
 常日頃、フェリチータに対して、押し一辺倒なパーチェが負けている。しかも、何も出来ずに。なすがまま。
 こんな面白い場面を終わらせてなるものかということだろう。
「離してくださいっ! あなたは、お嬢さまの操が心配じゃないんですか!」
「恋人同士なんだから、なるようになっても問題ねえだろ」
「ああああ、あなたって人はぁー!」


「あーっ! もう、無理っ」
 どうにも堪えられなくなったパーチェは、フェリチータの手首を掴むと、長々と息を吐き出した。
「パーチェ?」
 やっとパーチェを見上げたフェリチータが、何事かと首を傾げる。己が何を引き起こしたのか、全く理解していない様子で。
 パーチェは、そんなフェリチータの心境を分かってはいたのだが。
 これまでの仕打ちを考えれば、首を擡げた悪戯心に従ってしまおうと、笑顔で告げる。
「おれ、結構、負けず嫌いだからさぁ。やり返しちゃってもいい?」
「え?!」
 やり返す? 何を??
 視線の先には、どこか含みのある笑み。
 意味ありげな眼差しが、身体を射る。動きを縫い止める。
「駄目だって言ってもしちゃうけどぉ~」
 空いた片方でフェリチータの腰を抱き寄せると、パーチェは、細く柔らかな首筋に顔を寄せた。
「パーチェ?!」
 肌上を滑った甘い吐息に、双眸を丸くするフェリチータ。
 頬を掠めた柔らかな髪に身動ぎをすれば、肩口に顔を埋めていたパーチェと視線が交錯する。
「おれを煽ったフェリチータが悪い」
 低い声色での囁きが、耳をくすぐる。瞬間、一気に、全身が熱を帯びた。
「私、煽ってなんかっ」
 上気した頬のままに返すも、間近に迫ったパーチェの顔で続けるはずであった言葉が消える。
 視線に飲み込まれていく感覚に、フェリチータは、息を呑んだ。
「だぁ~め、逃がさないよ」
「っ!」
 時として、探究心は、本人の予想だにしない結果を生むものである。また、無邪気にも同じことがいえる。
 この後、すんなり事が運ぶのか。回し蹴りでの回避となるのか。はたまた、過保護な従者が阻止をするのか。
 どれであっても、今宵のみせしめが誰であるかは明白である。

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 2012_04_22




プロフィール

一沙(かずさ。)

Author:一沙(かずさ。)

ここは、SSサイトです
アルカナ・ファミリア&三国恋戦記
がっつりネタバレ 
パフェリ、孔花・師弟愛、仲花+孔、
テイルズ、stskなど雑多に書き散らしちう
8/2 オフライン更新
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